人間は勝手なものである。
Cymbidium の多くの原種は、秘境ヒマラヤの奥地に「たおやかに」咲く。
19世紀、西欧の熱狂者達によって、おびただしい数の蘭が採取され、
アフリカ南端の「嵐の海」を越えた。
気候の異なる異境の地、ヨーロッパの国々。移住ではない。
Cymbidium育種の歴史は150年。
多くの人達(約1000人)によって数万の交配がなされた。
そして・・・今日みられるような、原種からは想像できない美花が創られた。
今、異郷の日本でも「たおやかに」咲く。
だが、この国には、いかに「たおやかに」咲いても、訪れる昆虫は一種類もいない。
簡単に言えば、花たちは「結婚」出来ない。
でも、花たちは、人間の身勝手にすべてをまかせながら・・・
今日も「凛として・・・たおやかに」である。
だが、私は知っている。
花たちには、遥かなヒマラヤへの「望郷の想い」が・・・・あることを。
宇井 清太
ranntenn4